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            メール・マガジン

       「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第027号       ’00−01−14★

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    神頼み・人頼み

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●年末はクリスマス、

 

新年は初詣で。 <融通無碍>と言えば聞こえは良いが、我が日本民族、宗教的には

ほとんど無節操であります。 聖書を読んだことすらも無いのに、何故キリスト様の

誕生日だけ祝いたがるのか? など悩むこともなく僅か1週間後、何の神様でいらっ

しゃるかも構わずに鳥居をくぐり、せいぜい100円で図々しく1年分の幸運を願う。

 

畏れ多い、とは思わないのかね? 相手さんの目にどう映るか、考える風も無い。

まあ到底、<敬虔な祈り>とは言えませんな。 しかも大多数は年に1回。 普段は

<神様>を思い浮かべることも無い、、そんなこと<日本の常識>、しかし<世界の

常識>からすれば、かなりユニーク。 まことにジコチュウ的な文化、ではあります。

 

 

が、それじゃダメ、とは申しませんよ。 我が身の幸せを祈るのは人の常ですからね。

ただ、その<1回>で相手さんに間違いなく聞き届けてもらうつもりなら、お願いの

仕方にずいぶん工夫が要るだろう、と思うだけ。  工夫、しているのかな?

 

何もかも一度にお願い、、では欲張りすぎ。 なら、どのように<これ>と絞るか?

その<これ>をどうアピールするか? 相手さんは<これ>を得意となさる神様で

いらっしゃるのか?、、、など吟味してお詣りする人は、、、まず、いないでしょう。

 

たとえば「家内安全」、「商売繁盛」などは定番ですが、その「安全」や「繁盛」の

中身や程度は? と相手さんに訊かれたら、ちゃんと答えられるのでしょうか?

そうアヤフヤな<お願い>では、相手さんも応じにくいのではあるまいか。

 

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●「相手の身になって、、、」

 

は交渉や説得の場面で欠いてはならない心がけ、とは誰でも知っていながら、現実は

こんな具合。 相手さんに<分かって頂く>努力は怠りがちになるものです。 心に

余裕のホリデー・シーズン、恐れ多くも神様に<お詣り>する時でも、、、ですよ。

 

これで深刻な問題に直面して切迫したら、なりふり構っちゃいられない。 もっと

<自分本位>になるでしょう。 そう押し付けられたら、あなただって「おいおい、

勘弁してくれよ」と言うかも、ね。 救いが得られなくても、恨んじゃいけません。

 

 

「願い」は、「叶えて欲しいこと」。 なら、叶えてくれそうな相手を選び、叶えて

やろうという気になってもらえるようなお願いの仕方をしなくちゃ、、、

 

何ならちょっと<幽体離脱>して、離れたところから自分の姿を眺めてご覧なさい。

殊勝に手を合わせてはいるが、ずいぶん勝手な奴、、、に見えませんか、あなた?

 

*   *

 

それよりお願いの中身、分かりやすく表現しましたかな? 前回(第26号)の例が

示すように、喋り言葉を文字に直すと、全く支離滅裂であることが多いのですから。

いわゆる<言語明瞭・意味不明>で、神様を困らせてはいないでしょうね?、、、

 

と、理屈っぽく迫るのは「問題解決型の頭脳」のイヤラシイところですが、これも

不断の努力の一つ。 頭の筋肉に汗をかく習慣をつけておかなかったら、イザ鎌倉!

の時に、急発進が利くものではありません。  ローマは一日にして成らず。

 

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●まして管理職は

 

頭脳労働。 頭の筋力トレーニングに励むことは、むしろ職業的義務ですらあります。

筋肉を鍛えると言っても、ボディビル的観賞用(たとえば学歴、資格、、)ではなく、

もっぱら実戦用。 必要部分を、必要程度に、で宜しいのですが。 

 

欠いてならないのは、多くの人の手を通じて成果を挙げる職務だ、という認識です。

組織図での上下とは関係なく、実質、人々に<頼む>、<お願いする>立場であると

いうこと。 相手が神様なら、少々ラフなお願いでも適切に叶えて下さるでしょうが、

<人>を相手にする時は、、、 ラフに頼めば、ラフなことにしかなるまい。 

 

実績を上げたければ、相手にとって分かりやすい、受け取りやすい、仕事しやすい

ように、と心を用いる必要があります、、、なんてアタリマエ、と思うでしょうが、、、

 

 

某業界で名物社長と言われる人の例。 毎年の仕事始め、社員を一堂に集めて演説

なさる、その決まり文句が「昨年は大変きびしかったが、今年はもっと悪くなる。」 

だから何なんだ? 気を引き締めてくれ、シッカリやってくれ、でしょうか?

 

ご本心ではあろうけれど、聞く方にしてみれば「いつもだぜ」のワン・パターン。

鳥は同じ歌をうたう、と言う通り、目の黒いうちは変えるつもりが無いようです。

以心伝心世代が生き残っているから未だ良いが、いつまで通用することやら。

 

*   *

 

「何とかしなくちゃ、、」とは誰でも思う。 が、その思い方や、そこから思い付く

ものは各人各様、かなりバラバラになるでしょう。 イメージはいわばアナログ。

決定的な形の無い、アバウトな世界です。

 

トップの所信表明が多少おおまかなものになることは、ある程度やむを得ません。

しかし、管理職までその口まねをしていたら、誰も動けない。 だから動かない。

気を利かして動いてみたがバラバラ、、、では成果が挙がらなくて当然です。

 

従って、聞く側の解釈にバラツキを生じさせない、明確な指示に変換して<伝える>

のが管理職の何よりも大切な役目。 誰が、何を、いつ、どこで、どのように、、、

 

という具体的な内容を備えた<指示>を通じ、個々には小さなベクトルでしかない

人々を一つの方向に整合させ、大きな力にまとめるのが管理職。 容易な仕事では

ない、誰にでも出来るわけではない、と私は思います。 それをないがしろにする

かのごとき<リストラ>には、陰ながら大いなる危惧を抱いております。 が、

 

その<変換能力>なき人は<削除>されても仕方ない、と冷たい私でもあります。

上からの声を、何の加工もせず、そのまま流すだけのパイプ、ではね。 実際に、

そんな<パイプ>ほど、詰まっていることが多かったですよ、知る限りでは。

 

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●<伝える>方法や場面は、

 

たとえば打ち合わせ、会議、メモ、指示書、命令書、、、色々あるが、それらのどれ

においても<文字>が主役、即ちデジタルの世界です。 

 

  でも、それ日本語でいいんだろ? なら、お手のもんさ、心配ないよ、、

  うーん、そうかなあ?

 

 

管理職研修でもよくある不具合現象、しかも講師として力が貸しにくかったのは、

「これを日本語で何と言うか」で戸惑う人、だったからです。 「言う」は易い

が文字に綴れない。 書き綴った人自身、「これ、何だか違うんだよなぁ」etc.

 

講師は助けるのが商売だから困らないが、そんな人に指示されて働く立場の人は

本当に困るでしょうね。 しかし<そんな人>ほど、相手が困っていることには

気づかない。 まして「相手の身になる」なんてこと、絶えてなさらない。

 

*   *

 

どうしたら<そんな人>状態に陥らずに済むか。 あるいは、そんな状態から抜け

出せるか。 それには、すでに第6号で提供したアドバイス、「1行で表現する」

ことに努めるべし。 たったの1行ですもの、コツを掴めば楽勝です。

 

Rational Process では、「すべきことはこれ!」と示す形式を<ステートメント>と

呼びます。  < statement >、声明、陳述、またコンピュータ用語としては命令文。

要するに「なすべきこと」、即ち<課題>の記述です。

 

*   *   *

 

<問題>に立ち向かう時、人間の頭の働かせ方は、基本的な4パターンのどれかに

相当する、とされます。 そして、どのパターンで解くにしても、その手順の第一

番目は<ステートメント>。 つまり、まず<課題>を明確にして取りかかろう、

というわけ。 即ち議論の出発点、<旗印>です。

 

4パターンのどれ、あるいはどれから、に決まりはありません。 以下は単なる例。

 

・普通でないことが起きた、これは問題だ、という時は誰でも「何故?」と思う。

 ▲「〜トラブルの原因を究明しよう」

・原因は掴めた、対策が必要だ、という時には「どうするのが良いか?」で、

 ▲「〜対処方法を決めよう(選定しよう)」

・方法は決めたが、ちょっと気がかりだな。 「それで良いのかな?」は

 ▲「〜案の実施に関する将来的対策を設定しよう」

・ついでに色々な課題が浮かんで来た。 「どれから手を下すべきかな?」なら

 ▲「〜業務に関して状況を把握しよう」

 

▲はどれも1行、<ステートメント>の標準形です。 もちろん未だ工夫の余地

は多大ですが、それにしても難しくないこと、ご覧の通り。

 

*   *   *   *

 

そう記述しなくてはいけないか? いいえ、必ずしも。 しかし実際に、こんな

ものなのです。 逆に言えば、「こんな」程度すら実行されてはいないわけ。

 

基本的な「コツ」のいくつかを紹介しますと、

 

・一つのステートメントには、一つの主題を盛り込むに留めること。 あれも、

 これも、と欲張ってはいけません。 二兎を追う者ナントヤラ、、

・従って、沢山のステートメントが並ぶことにもなるでしょうが、それで結構。

 それらの重みづけや着手の順序についての議論は、別の話とします。 

・どのパターンに当てはめるべきか、と迷う必要はありません。 それぞれの

 パターンで書いてみる。 重複は後で処理、それもまた別の話とします。

・大切なのは「何を」と「どうする」が明記されること。 この2者が無いのは

 <ステートメント>ではありません。 (誰が、いつ、どこでなどは、いずれ

 付随的に明らかになるでしょう。)

 

もちろん実務の世界の通例で、唯一無二、絶対の正解というものはありません。

どう記述しようと、それで人々に了解され、人々が誤りなく動き、成果が挙がる

なら実用上OK。 まことにいい加減のようではありますが、、、。

 

それよりは、「文字になっていて、意味が通る」点を評価しましょう。 掲げて、

今すべきことはこれ、と関係者に共通の認識を抱かせることが大切なのです。

 

*   *   *   *   *

 

では、チェックしますよ。 (たとえば)「期末販促策の件」。 これは

ステートメントとして認められますか? 

 

いいえ。 「どうする」が入っていないから。 このアバウトさのままで議論を

始めたら、多分「みんなで頑張ろう」的アバウトな結論で終わります。 拝聴に

徹する(ほか無い)人も多いでしょう。 具体的成果にはつながりにくいはず。

 

もし「A部門、期末販促策の選定」というステートメントだったら? イメージ

が明確になるので、結論も具体的に出せる。 顔ぶれも限定できるので、会議の

生産性も高まる、、、ということになりそうだ、、、  そんな気がしませんか?

 

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あなたが抱えていらっしゃる課題を<ステートメント>にしてみてはいかが?

これで良いのかな、と首を傾げるようなら、固有名詞などは伏せ字でも結構、

Eメールでお送り下さい。 無料添削サービス、いたします。

                            ■竹島元一■

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